商取引のデジタルシフトを共創する – UPRISE TALK Vol.1 –
株式会社ユニヴァペイキャストはこの度、アップライズトーク企画を始動。目まぐるしく動く社会や経営環境を読み解き、生き抜くヒントを示すイベントだ。
日本や海外を取り巻く社会や経営環境の変化にいかに対応していくか、どのような世の中になっていくのかなどを各オンライン業界の最先端にいる事業者から話を聞いていく。
第一弾は越境ペイメントサービスを早期から手掛ける弊社「ユニヴァ・ペイキャスト」の代表中尾周平とCOO関口亨が基調講演。パネリストとして株式会社LBBセールスマネージャーの三浦圭一氏と株式会社ユニヴァ・ジャイロン取締役CBOの有我洋祐氏を招き、コロナ禍での経営環境の変化と対応を聞いた。
株式会社ユニヴァペイキャスト代表 中尾周平あいさつ(基調講演)
ユニヴァペイキャストはオンラインクレジット決済からスタートした。
2010年アリペイの越境ECを開始し、当時はあまり広がらなかったが、2016年QRペイメントに携わると進展。現在は海外を中心としたペイメントに力を入れている。
標語はユナイトオールペイメント。いろいろな決済手段を総合的に使用できるようにしている。
しかしそれは単独では成し遂げられない。皆さんと共に創ることで、はじめて新たな価値を作り出す。今後も共創を進展させていきたい。
最近の注目はミニアプリ(ミニプログラム)。もともとは中国を中心に広まったサービスで、巨大SNSアプリ上で、ワンIDでいろいろなメニューやサービスが使用できるもの。
今弊社は店頭、オンラインなどサービスが多岐に渡っている。今後はオンラインとオフラインを融合し、一元化して皆さんに提供していけるようにしたい。というのも、オンラインとオフラインの垣根が消えることで、新たな商取引の道が開けると見ているからだ。
決済事業において、コロナウィルスで一番大きな影響はどこだったのか
COO関口亨
社会的には学校が休校、医療崩壊、企業倒産や閉店が相次いだ。我々も流れに逆らえず、実店舗のQR決済事業はインバウンド客を対象としたものの比率が高いため、壊滅的ダメージであった。
反面、オンライン決済サービスへの熱が高まった。オンラインだけで完結させるサービスを求める声も多い。
常識は変わった。テレワークやウェブ会議が会社によっては当たり前になっていて、数が増えている。
飲食店でもテイクアウトや事前予約、テーブルオーダーシステムの使用が急激に進み、アミューズメント事業でも事前オンラインチケット購入が増えた。
イベントもオンライン、医療もオンライン診療など、新しい生活様式や、今までなかった、気が付かなかった事業にも目を向ける時がきた。
消費者にとってはすごくより便利な世界に変化しつつあると思う。あらゆるものがオンライン化していくのだと、強く感じる。
ミニアプリは今後どうなるか
中尾
消費者目線では大きな生活に関わるアプリのワンID化(単一のログインで多種多様なサービスが利用できる)で、様々なサービスのアプリが気軽に使えるようになる。新しい顧客開拓や囲い込み方の手法はこれから出てくる。
我々もこれから、ミニアプリを顧客に新しい価値として提供していく。
販売機会の変化に対し実際にどうやっていく?
関口
いろいろなやり方があると思う。例えばLBB(オンライン事前オーダーシステム)のように、我々だけでは提供できないサービスを、他社と共創することで実現し企業側も顧客も便利になるようにしたい。
これに加えてミニアプリ。国内需要を獲りに行こうと思いがちだが、海外に目を向けている。海外の人に気軽に商品販売が可能になる強みに注目している。
国内需要だけじゃなく、我々の強みの一つである海外とのつながりを活かし、皆さんの役に立てるサービスを展開したい。
経営視点では
中尾
当然国内は押さえなければならないが、海外も重要視している。我々(UPC)の強みのひとつでもある「海外との繋がり」を活かし、皆さんと”共創”して、より一層高い価値を作り出したいと考えている。
二部 パネルディスカッション
パネラーおよびパネラー企業の紹介
株式会社LBBセールスマネージャー三浦圭一
LBBはより少なく、しかしより良くをコンセプトに2018年6月にスタートした。
モバイルオーダーにより事前予約、注文、決済を行えるクラウドサービスを展開。
株式会社ユニヴァジャイロン取締役CBO 有我洋祐
SEOツールの開発と販売を行う。今回はローカルSEO(グーグルマップやグーグル検索で並ぶ店の一覧を上位に表示させ、顧客流入を図る)サービスを紹介。
コロナの影響でどう変わった?
両者共通して3~4月は混乱期(止まってしまった商談も多い)、5~6月は復興期(ほとんどの業界で商談が動き出した)という傾向があったという。
LBB三浦
セレッソ大阪の例。入場制限される中Jリーグが開催。密対策のため、ブースを複数設けてLBBを導入。
ドライブスルーふくおかでも事前に決済をし、当日は受け取りに専念することができた。
事前決済して当日は受け取りのみ。このように事前決済の事例はコロナ禍を機に増えてきた。
そのほか、2020年8月1日にオープンした商業施設クロスゲート金沢のフードクラブ(フードコート)で導入をいただいた。
こちらもやはり事前決済。お客様の端末を利用して注文、完成時にSMSが飛び、受け取ることができる。
お客さんの意識は変わった。店舗設置端末は「誰が触ったか分からない」という感染リスクから、自分のスマートフォンで注文するほうに意識シフトが起きている。
ユニヴァジャイロン有我
ウェブサイトを調べた後にどういう行動を取ったかを見てみると、食料品店を調べた後、コロナ禍では電話をするが+78%増、経路検索が―5%だった。
一方で衣料品店では、食料品に比べて緊急性が乏しいからか、経路検索-75%、電話も-27%。ホテルでは経路検索-83%、電話-44%。レストランもステイホームから経路検索-66%、電話-67%。一方でホテルと違い若干数値が上がる時がある。それはテイクアウトや感染対策した販売への問い合わせだ。
検索動向では、例年に比べて検索ワード「ランチ 新宿」は4月で大きく減り、5、6月で若干回復したが例年より低いまま。
一方で「レストラン テラス」や「キッチンカー」は5、6月で例年よりも検索数が多くなった。
このように検索状況は変わっていっている。
他にも、例えばグルメポータルサイトの利用が減っている。それは近年、店舗自らの発信が重要視されてきていたからだが、それに加えコロナ禍により、とどめを刺された形。
広告費の掛け方も、大手ポータルサイトのみにでなく、多様化している。
オンライン化が進む中で、オンライン発信の重要性は増加した。
その領域にビジネスチャンスがあるとみている。
まとめ
もともとの動きに加え、コロナ禍によって顧客動向は大きく変化し、それも早くなっている。いかにオンラインを制するか、オンラインに関するデータを正確に素早く得られるかが、今後のビジネスの生死を分けることになるのかもしれない。