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事業効率化

ECモールでアカウント乗っ取り、フリマアプリの現金販売、後払い決済の未収を防ぐには?

※本記事は2019年以前に書かれたものです。

タイトルに対しての結論をいきなり出しますが、前回紹介した「Alipay芝麻信用」のようなオープンな信用プラットフォームが普及していれば、最近起きた「eコマース界の悪いニュース」の殆どが未然に防げたのではないか?と、私は感じています。
具体的にどう防げるかは徐々に紐解いていきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

来てしまった?「従来型本人認証」の限界

「従来型本人確認」とは、電話番号やメールアドレスの疎通確認、場合によりクレジットカード情報の登録を伴うものを指します。
しかし、そのそれぞれが、格安スマートフォン普及や、相次ぐクレジットカード情報漏洩事故(立場上、書くのも心苦しいですが)により、確実な本人認証と言うには、いささか頼りないものになってしまった言えそうです。
その証拠に、次のような事態が起きています。

悪いニュース続出!対策はあるのか?

2017年度に入り、そろそろ2ヶ月といったところですが、この短い間に

ZOZO「ツケ払い」滞納続出?
明らかに延滞リスクが高そうだが、実際SNSなどで調べると、ツケ払いで滞納している学生で溢れかえっている。”

(引用元:日経WOMAN Online

 メルカリで現金販売相次ぐ
具体的な出品例では、1万円が1万1900円で、4万円が4万7300円で売られており、落札もされていた。中には、20万円が22万9300円、30万円が35万円といった高額のケースもあった。”

(引用元:JCASTニュース

Amazonマーケットプレイスで詐欺続出

【形態1】販売者アカウント乗っ取り激安出品、発送したフリで保証期限切れを狙い商品代を騙し取られる
【形態2】やや安値で出品、在庫切れでAmazonからキャンセル通知が来たよう偽装し、保証期限切れを狙い商品代を騙し取られる
【形態3】一向に発送されずお金も帰ってくるが、配送先個人情報を「形態1&2」の店舗情報として使われてしまい、苦情連絡が殺到する”

(筆者が大きく要約 引用元:Amazonフォーラム)

という、決済代行会社に勤める立場として大変ヒヤヒヤするニュースが連発しました。
今回は以上3つの例で「どう解決できるか?」を、それぞれ考えていきます。

1. ZOZO「ツケ払い」滞納続出?問題

最初に宣言しますが、私はこの「ツケ払い」という仕組みに否定的な意見を持っていません。本当によくできたビジネスだと思います。

アパレルという若年層向けのサービスである割には、利用上限が若干高い(税抜¥50,000)かなとは思いますが、ただ単に若者が匿名(twitterあたり)で文句言ってるだけで、そもそも炎上すらしていないという認識です。

しかし、文句を言うからには理由がある筈で、実は若者(学生さんかな?)たちが「既存の信用照会システム」のイケてなさや、不合理を感じているのではないか?と思います。

ほとんどの学生はクレジットカードやローンの利用実績がないため「ゼロ評価」です。
でも、これって単純に気分悪いですよね。ネットで買い物しようとしたらクレジットカードを作る事を迫られ、書類を書いて捺印して郵送なんていう面倒な手続きをクリアしたと思ったら、カードが発行されても『あなたは0点で、ショッピング枠は最低ランクから』って決め付けられる訳ですから。私もかつては経験があり、反発したい気持ちは良く分かります。
この点、中国のAlipayは本当によくできていて、提携している銀行口座さえ持っていればアプリの操作だけでオンライン決済ツールを手に入れることができ、その実績に応じて芝麻信用ポイントを得られるのですから。日本のクレジットカード発行と比べて、ものすごくスムーズに入っていけるように思えます。
クレジットカードの仕組みにも、そのようなイノベーションが起きなければ、徐々に発行枚数や普及率が落ち込んでいくのではないでしょうか。

2. メルカリの現金販売問題

の騒動、様々な見方があるようですが、私は単純に「クレジットカード現金化業者が個人を装って潜伏している」のだと思っていて、そうだとすれば由々しき問題です。しっかりした対策ができなければ、最悪メルカリのクレジット加盟契約停止もあり得るのではないでしょうか。

編注:クレジットカード現金化業者は、2011年頃から出資法違反で逮捕の前例ができ、あまり表立ってキャッシュバック前提の販売活動ができなくなりCtoC取引のプラットフォーム潜伏した、という見解です。現金化前提の販売は加盟店規約違反です。

メルカリは、SMS認証以外に個人認証をしていないようです(執筆時点。PC版ではクレジットカード登録がある様子)。しかし誰でも気軽に参加できるのが魅力でもあるので、すぐにこんな業者の潜伏を無くすのは難しいでしょう。
もしもAlipay芝麻信用のような「個人認証済みのオープンな信用プラットフォーム」を参照できたとすると、どうでしょうか? 例えば「一定額以上の取引にはその認証が必要」などとすれば、気軽に参加できるだけでなく利用者も運営会社も安心できる、素晴らしいプラットフォームになるのではないかと思います。

編注:Alipayの親会社であるアリババは淘宝網(タオバオワン)というCtoCマーケットプレイスを長年運営している(そこでの公式決済ツールとして独立したのがAlipay)ので、こういった対策のノウハウが蓄積されているのでしょう。取引完了まで仲介者であるアリババが料金を預かる「エスクロー」という仕組みも、早くから取り入れられていました。

3. Amazon乗っ取り詐欺問題

この騒動では、「マーケットプレイスでかつて使われていたアカウントを乗っ取ったもの」が使われるケースが多いようです。前述の通り様々なパターンがあり実に巧妙で、自分もニュースで見ていなければ引っかかる可能性は十分にあったと思います。(なんと、ネットに詳しい知人も被害に!)

現在はマーケットプレイスのログインに二段階認証が付いて沈静化しているようですが、やはり信用プラットフォームへの照会をもって利用を開始させ、定期的にモバイルアプリでもQRコードを読み込んでログインをさせるなどすると、乗っ取られてしまう可能性を限りなく下げられそうです。

オープンでの信用照会は、取引リスクを軽減できる

ここまでお伝えした通り、様々な取引で発生しうる重大な問題を、一気に解決できる可能性があるのが「オープンでの信用照会」の仕組みです。
民泊という形でシェアリングエコノミーを展開する、Airbnb創業者のうちの一人、ジョー・ゲビア氏もTEDで「信用」について語っており、その活用の秘めたる大きな可能性を感じることができます。
このように、あらゆる非対面売買のシーンで急激にニーズが高まっているのが、この「オープンな信用プラットフォーム」ではないかという切り口で記事を書いてみました。 そのうち「Trustech(トラステック)」みたいな呼び方がつくかもしれません。

まとめ:中国ではもう実用化されている!

「オープンな信用プラットフォーム」のトップランナーがAlipayの芝麻信用である事がお分かりいただけたのではないでしょうか?
とはいえ日本上陸にまだまだ時間がかかりそうなので、ここはひとつ…例えばYahoo!さん辺りがそのIDを元に、スコアリングと信用プラットフォームとしての活用など検討してくださると、個人的には大変面白くなるので、勝手に期待してます。

ビジネスで必要な決済は、UnivaPayがご用意します。