アプリ普及で欠かせなくなった仕組み「ディープリンク」とは?

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はじめに

2007年にiPhoneが発売されて以降、約10年ほどで「当たり前」となったスマートフォン。NTTドコモ モバイル社会研究所の調査「ケータイ社会白書 2019年版」によると、2019年の「もっともよく利用するスマホ・ケータイ(1台目)の年次推移」におけるスマートフォン比率は83.5%となっており、今や持っていないほうが少数派と言えます。

そんなスマートフォンと共に成長してきたのが、「アプリ」です。ゲームやカメラといった娯楽だけでなく、LINEをはじめとするコミュニケーションアプリやモバイル決済アプリといった、日常生活に欠かせないサービスも多数存在しています。
そんなアプリを更に便利にするのが、「ディープリンク」という仕組みです。

今回は、多くの方にとって聞きなれない言葉であろう「ディープリンク」について、解説していきます。

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1.ディープリンクとは? 何が便利なの?

ディープリンクとは、アプリ・Webサイト等の広告や商品紹介ページなどから、特定のアプリ内コンテンツへ直接移動することができるリンクの事です。スマートフォンが普及する前は「特定のWebページに直接遷移できるリンク」を指していましたが、スマートフォンの一般化に伴うアプリの発展と共に、現在の意味合いへ変化しました。
例えば、オンライン通話アプリでミーティングの予定を立てると、同じスマホ内のカレンダーアプリが開いて自動入力されたミーティング情報をスケジュール登録できる、といった動作も、ディープリンクによるものです。

ディープリンクがもたらすもっとも大きなメリットは、ユーザーのストレス解消による離脱の回避です。
欲しい! と思った商品があったからアプリへのリンクをクリックしたのに、いざアプリが立ち上がったらTOPページが表示され、最初から商品を探し直さなければいけない……ディープリンクでは、このような手間をユーザー側に取らせることなく、ユーザーを目的のコンテンツへ直接導くことができます。ユーザーは商品やサービスの詳細画面から注文完了までをスムーズに行えるので、ストレスが大幅に緩和されるのです。

このようなディープリンクの仕組みは、2013年ごろから登場しました。現在は、大手SNS/Webブラウザサービスを提供しているTwitter・Facebook・Googleからも、それぞれのアプリから他のアプリへのディープリンクを可能にする機能やサービスが提供されています。

2.ディープリンクの活用例

ユーザーにとっても事業者にとってもメリットの大きいディープリンクは、すでに様々な場面で活用されています。ここでは、その中でも特に身近で販促に大きな影響を与えそうなものを、一部抜粋して紹介します。

地図アプリ×ディープリンク

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まず紹介するのは、Google Mapをはじめとする「地図アプリ」とディープリンクです。
例えば、グルメサイトで店舗の住所をタップしたとき、利用している地図アプリをひらけることがありますよね。アプリが立ち上がり、店舗の場所にピンが立った状態で表示されるのは、非常に便利です。
この仕組みは、ディープリンクによって成り立っています。
ユーザーは、この機能によってお店の名前をいちいち検索する手間を省き、現在位置からすぐに行き方を割り出すことができます。お店の名前がどんなに長くても、似たような名前がいくつあっても関係ありません。最初に行きたいと思った店へ、迷わず行くことができるのです。
またお店側も、自分の店舗が選択された状態で地図アプリが立ち上がるため、ユーザーの他の店舗への目移りを防ぐことができます。

ショッピングアプリ×ディープリンク

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続いては、Amazonなどの「ショッピングアプリ」とディープリンクの活用例をご紹介します。
SNSやWebページなどで商品の広告が表示された時、(大抵はスルーしてしまいがちですが)魅力的な商品と出会うことがあります。「欲しい!」と思うが早いか、リンクをタップ。すると、いつも使っているショッピングアプリが勝手に立ち上がり、先ほど見た商品の詳細ページが表示され……その勢いのまま購入に至るケースも、少なくありませんよね。こういったスムーズさこそが、ディープリンクの強みです。
これがもし、ただショッピングサイトのTOPページに飛ぶだけだったら、膨大な商品群の中から目当ての物を探し出すのは非常に骨の折れる作業です。離脱率を抑えるという目的で、ディープリンクの活用は非常に強い武器となります。

事前注文・テーブルオーダー×ディープリンク

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最後に紹介するのは、飲食店等でのテイクアウトを目的とした事前注文や、店内でのタブレットなどを利用したテーブルオーダーにおける、ディープリンクの活用例です。
キャッシュレス決済の推進により普及しつつあるスマホ決済は、アプリありきのサービスであることから、ディープリンクとの相性が非常にいいサービスといえます。
事前注文やテーブルオーダーでは、支払いの際に直接各アプリの支払い画面に遷移することで、いちいちアプリをスマホ内から探し出したり立ち上げたりする必要がなくなります。
クレジットカードのように支払情報を登録したり専用の端末を用意したりする必要もないため、ユーザーと店舗双方の手間を省くことができます。

おわりに

ディープリンクを実装する際は、AndroidとiOSとで異なる技術が必要になります。利用状況に合わせて最適な手法を選び、最大限活用していきましょう!

参考資料

株式会社NTTドコモ モバイル社会研究所“ケータイ社会白書 2019年版” 閲覧日:2020年6月30日

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筆者プロフィール

teatime

「UP College」編集部 無糖ティータイム

入社2年目。現在はメディア「UP College」を中心にWebサイトのライティング、オフラインでの配布物作成などを行っている。趣味は旅行で、アジア圏ではタイ・ベトナム・台湾を訪問済み。コロナが収束した暁には、キャラバン隊へ参加してシルクロードを横断し、友人とエジプトに行く予定。

最近の出来事:一気に寒くなり、秋の到来を感じます。近所のスーパーで売っている焼き芋を初めて買ってみたらとんでもなく甘かったので、今年は食欲満喫の秋となりそうです。