訪日客を知る異国データベース Vol.1

「タイ」ってどんなところ? タイとタイ人を知るための3つのポイントを特集!

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タイの「人」

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1. 争いを好まず笑顔が基本

「微笑みの国」タイの人々は、基本的に誰にでも笑顔で接する特性があります。暖かい気候で、南国特有のゆったりした感覚が育ちやすいのでしょう。
歴史的にも、イギリス領とフランス領の折衝役を担うことで独立を保ったり、争いの中でうまく立ち回って立場を維持したりと、柔軟で温和な手段を取ってくることが多いように思われます。
親しくなってくるとまた変わってくるかもしれませんが、観光客として日本に訪れているタイ人の多くは、穏やかでにこやかな受け入れやすいお客さんだと言えます。

2. おおらかで細かいことは気にしない

タイは、古くから国際交流が盛んで、様々な多様性が認められている国です。多数派のタイ族の他中国系、マレー系、インド系、その他いくつかの少数民族が一緒に住み、仏教中心の国家ではあるものの宗教の自由が認められています。
また、2019年にはアジアで2番目に同性婚が合法化され、他のアジア諸国より多様化が進んでいます。このような背景には、タイ人のおおらかな国民性が関係しているかもしれません。

3. FacebookとLINEを中心にSNSが普及している

タイ人の約82%(およそ5700万人)が、インターネットを利用しています。その中でも利用率No.1はFacebookです。日常のちょっとしたことをシェアする場として、手軽に広く使われています。また、LINEの利用率も高く、メッセンジャーアプリとしてはFacebookの提供するMessengerをはるかに上回っています。
日本企業の中には、Facebookでプロモーションを行ってタイ人インバウンド客の誘致に成功した事例もあります。Facebookでのアプローチは、特に若い層を取り込むうえで効果的といえます。

タイの「文化」

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1. 食べ物

タイ料理は、周辺諸国の様々な料理から影響を受けています。「辛味」「酸味」「甘味」「塩味」「旨味」にハーブやスパイスで香りづけをするのが基本で、加えて4つの地方ごとに異なる特徴を持っています。また、「クルワンプルーン」という卓上調味料を加えることで、自分好みのカスタマイズをするのが一般的です。
特に後者は日本のレストランでも賛否が分かれるところですが、「日本の食文化をどのようにアピールするのか」を提供する側なりに工夫すると、より満足度が高くなるかもしれません。

2. 言葉

タイでは、公用語である「タイ語」のほか、イーサーン語、クメール語など、複数の言語が使われています。また、一定水準以上の勉学を修めた人であれば、英語が達者なことも多いです。タイ人インバウンド客を出迎える際は、英語の説明があると親切かもしれません。もし英語が難しくても、旅行先で母国語の挨拶をしてもらえるのはどこの国にとっても嬉しいものです。なので、

こういったひと言をどこかに添えることで、より良いイメージを持ってもらえると思います。

3. 生活習慣

タイ人の多くが仏教を深く信仰しており、生活にも根付いています。ですが、食事に関して宗教的な制限はお酒を除いてありません。
また、タイ独特の習慣が存在します。多くはタイ国内へ赴く際に注意すれば済む物が多いですが、場所に関係なく知っておいた方がいい習慣としては「頭を撫でない」「王室に敬意を払う」の2点が挙げられます。

タイでは人の頭は「精霊が宿る場所」として神聖視されています。そのため、他人の頭を触ることは大変失礼にあたるので気をつけましょう。小さな子どもの頭をなでてかわいがるのは問題ありません。
タイの人々は王室に対してとても深い尊敬の念を抱いています。タイの人々と王室について話題にするときは相手の感情を害さないように注意しましょう。
(タイ観光案内サイト【公式】タイ国政府観光庁 https://www.thailandtravel.or.jp/about/etiquette/)

タイ人に限りませんが、時間にルーズなところもポイントです。例えばレストランの予約など、遅れてもあまり気にしすぎず心に余裕をもって出迎えられるといいですね。

タイ人誘致に成功した事例

1. 北海道・歌登

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北海道の北部にある枝幸町歌登には、タイ人インバウンド客の大幅増加によって経営再建を成功させたホテルがあります。
ポイントは「タイ人の見たい日本を全て体験できるようにする」こと。土地柄にこだわらず、全国各地の名物やステレオタイプな日本文化など、タイ人にとっての日本文化を存分に味わえる企画に振りきった結果、一つのホテルだけで年間2000人のタイ人を招致することに成功しました。
すでに観光資源が豊富にある場所ではなく、国内の観光客に伸びしろが期待できない場所であれば、このように「常識にとらわれず求められているものをできる限り実現する」ことでインバウンド招致を可能にできるのだ、という良い事例です。

2. 佐賀県

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佐賀県は、日本におけるタイ人インバウンド客誘致の先駆者です。独自の観光資源が豊富な福岡県や長崎県などの影に隠れがちだった佐賀では、2013年にタイ人の訪日観光ビザが緩和されたことをきっかけに、それまであまり招致対象にしていなかったタイ人をターゲットにすることを決めました。
佐賀県の成功における最大のポイントは、映画のロケ地として佐賀を利用してもらえるよう働きかけたことです。タイの監督と映画製作に全面協力することで、映画は無事に完成。タイで大ヒットを飛ばしたことで、佐賀の知名度が一気に上昇しました。
映画のロケ招致は、今や全国で行われています。しかし、ターゲットをまだインバウンド市場では発展途上の国へ絞ったことや、歌登と同じく「見せたいものではなく求めているものを提供する」ことに注力したことが、佐賀がタイ人インバウンド客招致を成功させた秘訣といえます。

おわりに

タイからの訪日外客数は2018年に100万人を超え、2019年には前年を上回る伸び率で130万人を突破しました。このことから、インバウンド市場においてタイは注目すべき招致先です。
今後、中国や韓国に次ぐ訪日外客数や消費額を記録する可能性もありますので、ぜひ今から対策を取って売上に繋げていっていきたいですね。

筆者プロフィール

teatime

広報担当 無糖ティータイム

入社10か月に突入。現在はコラム「UP College」を中心にWebサイトのライティング、オフラインでの配布物作成などを行っている。最近は新卒面談などで学生と話す機会があるため、少々ノスタルジック。趣味は旅行で、アジア圏ではタイ・ベトナム・台湾を訪問済み。次はキャラバン隊へ参加してシルクロードを横断することを目標に、日々の業務へ取り組んでいる。

最近の出来事:「眼鏡が曇らないマスクのつけ方」、一回も成功したことがありませんでしたが、ちょっといいマスクを買ったら一発で曇らなくなりました。やっぱりお値段には理由があるんだなあ、としみじみ感じています。