7億人が利用する謎の中国アプリ「QQ」って何?

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中国のアプリというと、Tiktokはじめ、日本でも認知度が高いものも増えてきた。
日本ではTiktokが最も有名かもしれないが、本場中国では巨大であるもののそれを超える利用者数や人気があるアプリが多数ある。

そんなTiktokを超えるアプリのひとつに「QQ」というものがある。正確には「テンセントQQ」という、WeChatなどを提供しているテンセントが展開しているサービスである。

この日本では無名そうなQQだが、中国大陸では最も普及しているインスタントメッセンジャーアプリの一角なのだ。ユーザー数は2020年時点で7億ユーザー。最大瞬間同時接続数は数億人だという。

QQって何?

テンセントと言えばWeChatという中国最強のSNSも運営している。こちらはユーザー数が12億人で、QQよりも高い。
そんな同社がメッセージをやり取りするという点では同じQQという別のサービスを展開しているわけで、ユーザーの奪い合いをしているんではないか、と傍から見ると思えてしまう。

ところが実際はそうでもなく、ユーザーは住み分けされているようである。数億人のユーザーを抱えるアプリを複数持つ会社があるというのも、中国の人口スケールの大きさを感じさせる。

QQのユーザーは主に10代の若者だという。WeChatは全年代で使われているとはいえ、ヘビーユーザー層は18歳以上からの利用者が多いようである。QQのイメージは日本ではディスコードやスカイプと言えば分かりやすいかもしれない。ゲーム配信(主にパソコンゲーム)などのコミュニケーションを目的としたものが多く、出会いの場にもなっているという。

QQもWeChatも決済機能を持っているが、QQはQQ銭包(チェンバオ)という別の決済システムになっている。アリペイとウィーチャットペイの二強が確定しているにもかかわらず、QQ銭包もそれなりの勢力を持っている。それはターゲットが10代と定まっているからで、WeChatと綺麗にユーザー利用層が分かれているからだろう。

パソコン使用がメインのインスタントメッセンジャーであるQQもアプリ使用がメインのWechatもどちらもスマホ・PC兼用で使える上にどちらもビデオ通話も可能で、機能がほぼ同じになっている。元々は10代をターゲットにするつもりはなかったかもしれないが、QQがパソコン使用がメインのメッセンジャーという性質上、日本で言うLINEとスカイプの住み分けのようなものが完成したのかもしれない。

無視できないQQ

日本ではほぼ無名であるQQ。しかし中国ではまぎれもなく「最大級のコミュニケーションツール」であり、若者に限ればまぎれもなく最大最強のツールである。2019年の中国本土対象の人気アプリランキングではなんと2位。アリペイ等も抑えてしまっている。※1位はWeChat

WeChatが世界展開して日本でもウィーチャットペイの決済ができる環境なのに対し、QQはその勢力の割にはあまり日本では知られていない。ここにある意味ではチャンスもあるかもしれない。越境や中国本土への訴求を行う企業、特に若者にアプローチしたい場合は、研究対象にすべきアプリだろう。

このQQ、あまり日本では情報がなく、日本語版公式サイトはリンクが行方不明になってしまっているほどだ。
一応KDDIがQQと手を組んでいるが、大した活動やプロモーションも行われた形跡はなく、事実上とん挫していると見える。

利用者はとても多いため、うまく利用すれば、ライバルを出し抜ける可能性も秘めている。

QQに広告を出す方法

QQにはフィード広告を出すことができる。これはユーザー投稿と同じ見た目で配置されるプロモーションで、日本や世界でも一般的に使われている手法だ。

肝心の広告の出し方だが、基本的にはWeChatと同じ流れになるようだ。
テンセント広告(https://e.qq.com/ads/)で一括管理されており、こちらに広告の紹介が掲載されている。
テンセントの広告の種類はQQだけでも膨大で、全体でみるととてもではないがここで掲載しきれないほどの方法がある。

まずはテンセント広告のサイトで会員登録(https://e.qq.com/reg-new/)をする。
その後、代理店を挟む場合は代理店へ連絡し、そうでない場合はテンセントに直接連絡をする。

ただしテンセントの広告出稿が現地銀行口座の取得と共に、中国法人を持っているまたは中国で継続的にビジネスをしている企業といった、中国現地に企業を持っていることが広告出稿の条件となっているため、現地法人がない場合、基本的には代理店を通すことになるだろう。

参考リンク:https://www.univapay.com/service/wechat/ 

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筆者プロフィール

teatime

編集長 例のりす

決済を利用するすべての人へのメディア「UP College」の編集をしている人。なんでも興味を持ってしまい、広く浅くを通してしまって何かと手に負えなくなっている。

対象がインドア・アウトドア問わずなのでコロナ自粛生活だろうと解禁されようと相変わらず時間が足りていない。