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インタビュー
インバウンド

インバウンドのお困りごと解決!あなたのお店ですぐできる工夫とは?

※本記事は2020年に書かれたものです。

政府観光局(JNTO)の発表によると、2016年度の訪日外客数は2,403万9千人と、昨年比で21.8%増となりました。
私が沖縄に帰省した時も、観光地だけでなく、地元のスーパー(ユニオン)で中国人と思われる方に話しかけられる機会が増えました。私に話かけるという事は、店員さんとも上手くコミュニケーションが取れていないのだと思います。
FIT(Free Independent Tourist = 個人旅行者)が増えているという統計もあり、このような事は全国各地で起きていて、他人事ではない状態になってきたのではないのでしょうか。
そこで、本年(2017年)2月に観光庁が発表した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート(集計期間:2016/9〜10)」を元に、 『旅行中に困った事』について
社内の外国出身者を集めてインタビューをしてみました。

筆者なりに「困った事」をまとめると、この3つになりました。

  1. 店員(施設スタッフ)とコミュニケーションや、観光案内看板(地図)が分かりづらいといった言語の問題
  2. Wi-fiスポットがない(少ない)、という問題に起因する通信環境の問題
  3. 外貨の持ち込みや就労前にクレジットカードが作れないといった通貨の問題

では早速、これに沿って話を聞いて行きましょう!

人物紹介

インタビュアー:Kさん(日本)
千葉県出身。いい加減な英語を話したがる。酔って連呼する言葉は「Almost O.K.」マーケティング担当。

インタビュイー①:Leeさん(韓国)
日本在住5年目日本に来る前に日本語を勉強していた。
韓国で日本語を学び、初めて日本に来た時は、片言程度の日本語が話せた。ワーキング・ホリデー(以降「ワーホリ」)で来日、現在は「海外ビジネス構築」を担当。

インタビュイー②:Luさん(台湾)
日本在住8年目 台湾で日本語を学び、ワーホリで来日、就職して現在に至る。初めて日本に来た時、上手に日本語を話せた。現在、「海外ビジネス構築」を担当。

インタビュイー③:Tさん(中国)
日本在住7年目  留学で日本に来てから日本語を勉強。奥様も中国人。現在、エンジニアとして活躍中。

インタビュイー③:Fさん(ブラジル)
日本在住4年目 日本に来る前に塾で1週間日本語を勉強。奥様は日本人。現在、エンジニアとして活躍中。
日本に来る前はアメリカで働いていた。

※インタビュー当時の在籍状況に基づいています。

インタビュー前に!!

K(日本):こちらの中でも気になる問題を3つのカテゴリに分けてインタビューして行きますね。Leさんと、Luさんは、凄い日本語上手なので、初めて日本に来た時も話ができて、ほとんど困らなかったんじゃないかな?

Lu(台湾):事前調査、色々しました。(笑)

Le(韓国):私も友達から色々聞いてきました。(笑)

K(日本):すごい!!ありがとう!では、はじめて行きます。よろしくお願いします!

一同:お願いします!

言語の問題は、どう解決してる?

K(日本):

このアンケートでいちばん多かったのが

  • 店員(施設スタッフ)とコミュニケーション
  • 観光案内看板(地図)が分かりづらい
  • 公共交通の利用

といった、言語の問題。
「施設」って何の事か皆さんには分かりづらいと思うんですけど、日本の観光地に行くとお城や美術館があって、入るのにお金がかかるところがあるんです。そこで、施設の説明をする人や、チケットを売っている人、そういった人達と上手くコミュニケーションがとれない。という事ですね。
有名な施設では、英語や中国語ができる人が増えてきているんですけど、地方であまり人気のない場所だと、全く外国語がわかるスタッフがいない事もあるでしょうね。皆さんはそんな経験、ありませんか?

F(ブラジル):ありますね。

K(日本):LuさんとLeさんは、日本語を勉強してから日本に来たと思うんだけど、その前に観光で遊びに来た事はありましたか?コミュニケーションは取れましたか?

Lu(台湾日本に住む前に、遊びに来た事はあります。
でも、その時も少しは話せるようになっていたので、あまり困らなかったですね。一緒に来た友達も日本語が話せました。(笑)

Le(韓国):私も、観光で来たことがあります。
英語が話せれば韓国と同じように生活できると思っていたら結構通じなくて、困りました。 簡単なコミュニケーションは英語とジェスチャーで取れましたけど、やっぱり友達が頼りでしたね。

K(日本):ちなみに、お二人のご両親は日本語話せますか?きっと日本にいるお嬢さんのところに、遊びに来たいと思うんですよね。

Lu(台湾両親は日本語が話せないです。まだ1回も日本に来た事はありません。是非来て欲しいんですけどね。

Le(韓国):私の両親は来た事があり、私がガイドしてあげました。そうでないときは、ツアーに参加していたみたいですね。そこではボディランゲージや英語でも、親切な方が対応してくれて、助かったそうです。

K(日本):なるほど。いざ遊びに来たとしたら、仕事があるだろうから、毎日ガイドしてあげられないと思うんですよ。
ご両親だけでホテルから出かけるとなったら、この問題が出てくると思うんですよ。筆談って、した事ないですか?

Lu(台湾見たことはありますが、私はやった事ないですね。

Le(韓国):私もないです。「Google翻訳が役立つ」と友達が言ってましたね。

K(日本):確かにスマホの翻訳機能(サイト・アプリ)って海外では活躍しそうですね。
Tさんは、どうでしたか? まだ、そんなに日本語を話せなかった頃、筆談をしたりとかスマホをみせたりとか。そういうことしましたか?

T(中国):結構しました。日本に来た時は日本語全然話せなくて、日本語学校にいったら先生の第一声が「こんにちは」で、それさえ理解できませんでした。(苦笑)
でも、私は英語を話せるので、困った時は日本語を使わないで英語を使ってコミュニケーションをとってました。

K(日本):なるほど。日本でも中学・高校で英語を勉強するので、英語を分かる人は割といますもんね。僕もシンプルな質問ならある程度は。
英語で聞いてくれるのは、割といい解決方法な気がしますね。

T(中国):そうですね。それから私たち中国人は漢字が分かるので、看板やレストランのメニューをなんとなく読めて、理解ができます。でも話すのは難しいです(苦笑)

K(日本):なるほど!僕らも中国語、なんとなく雰囲気だけは分かる!この辺はお互い様ですね。韓国から来たLeさんはどうだった?

Le(韓国):私も日本に来る前に日本語が話せたので、あまり苦労はしなかったんですが、日本人の友達が助けてくれたのと、お店では英語とボディーランゲージでなんとか、コミュニケーションを取っていました。

K(日本):なるほど。英語が話せると、やっぱりコミュニケーション取りやすいですよね。
ブラジルから来たFさんは、日本語の読み書を覚えてから来たって聞いてたけど、困った事はなかった?

F(ブラジル):自信をもって私のカタコトで話してました。英語と日本語が混ざってましたが、ちゃんと会話はできていました。
日本の人達は、頑張って英語で話そうとしてくれる人も結構いました。 全員では無いですけどね。 例えばレストランへの店員さんが、英単語と日本語を混ぜて注文を聞いてくれた時は助かりました。
漢字が読めないので、メニューは写真がついていると楽です。 読める文字だったらスマホの辞書で調べたりしますけど、居酒屋のメニューは手書きの漢字が多くて、全然読めないから諦めます。

Le(韓国):韓国人もほとんどが漢字を読めないので、すごく気持ちが分かります!

▲このように英語表記などを入れるだけであれば簡単ですし、とても親切ですね。

K(日本):そうだよね。漢字が無い国の方が多いもんね。
Fさんは入社した頃、辞書引きながら喋っていましたよね。やっぱり漢字のない国から来ると苦労するんだね。手書きの漢字は確かに、読み辛いですよね。観光案内板でも困ったりした?

F(ブラジル):はい。駅の名前も英語表記があったりなかったり、バラバラですね。新宿とかの大きな駅は割とあるけど、私鉄に乗るとほとんどない。
乗り換えをする駅の名前が読めない、覚えられないというあたりは、すごく苦労しました。

K(日本):日本人はみんな「乗り換え案内」というアプリを使うんだけど、あれって英語版あるのかな?

F(ブラジル):無いです。Googleマップを使いますね。

K(日本):そうか!言語表示が切り替えられるの?

F(ブラジル):はい、切り替えれますよ。駅名に英語表記が無いと、何処で乗り換えするのか分からないので、GoogleマップのGPSチェックをして乗り換えしてましたね。よくスマホに助けられました。

K(日本):スマホは便利だね。電車の乗り方、みんなも感じた?

Lu(台湾友達が言っていたんですが、同じ駅なのにJRやメトロなどの入り口が沢山あるのが難しいと言ってました。

K(日本):特に新宿駅とかビックリするくらい分かりずらいよね。日本人でも「ダンジョン」と呼ぶくらい。笑

一同:あそこは難しい!

F(ブラジル):あと、1回改札からでて出口が違うことに気づいても…

一同:もう戻れない!!(笑)

F(ブラジル):駅名には英語が添えて書いてある事が多いけど、電車の中の路線図には書いてない事が多くて漢字だけだと、すごく困ります。
最近はモニターつきの電車が増えていて、英語表記にも切り替わるから、困る事も減ってきました。

K(日本):ありがとう。英語表記は増えているけど、イマイチ適切じゃない事が多くて、まだまだ課題がありそうですね。

通信環境の問題は、どう解決してる?

K(日本):さて、スマホといえば通信環境が必要ですが、次に、「Wi-fiスポットがない(少ない)」という通信環境の問題へ行きましょうか。
僕もよく聞いたり見たりする話なんですが、日本って外国と比べたら、まだまだ無料のWifiって少ないんでしょうか?

一同:はい。少ないと思います。

K(日本):サンパウロや台湾は多いですか?無料Wifi。

F(ブラジル):サンパウロは多くはないですけど、ある所はほとんど無料です。
アメリカはWifiは多いですよ。何処に行ってもありますけど、だいたい有料のWifiなんです。
日本は少なくて、Wifiあってもパスワードが必要ですね。

Lu(台湾台湾は何処でもWifi繋がってます。コンビニも無料でつなげます。

Le(韓国):韓国も、どこでも使えますね。

K(日本):だいたいスマホ使いたい場所ってレストランとかカフェじゃないかな?って思ってるんですけど、確かに日本では、カフェやレストランで無料が少ないですし、 あるとしても使用できない事が多いですよね。

T(中国):中国は、そんなに多くないです。
スターバックスは無料Wifiがありますが、他の飲食店は無料のWifiがないと思いますね。あまり自信ないですが、都会には多く、田舎に行くと全然ないですね。

F(ブラジル):ブラジルも同じです。

K(日本):聞いた感じだと、恐らく台湾と韓国以外は、日本とそう変わらない印象ですね。 実は僕、これが不思議だったんですよ。確かに日本(東京)は無料のWifiが少ない方かもしれないけど、本当に、外国と比べてそこまで差があるのかな?って。
以前、僕が書いたeブックでは、どこの国からの訪日客が多いのかまとめていて、上位は中国、韓国、台湾なんですよ。

K(日本):中国は、沿岸部の都会に住んでる方はWifiなどの通信環境に恵まれてると思うんですよね。韓国と台湾は、それほど広くなくて人口が都会に密集しているから、割とみんな恵まれてて。つまり、恵まれた環境の方が多く日本に来ているから「少ない」って印象になるのかなって思います。

F(ブラジル):でも、ブラジルでプリペイド(1日100円で30MG程度)のSIMカードは一般的で、そんなにWifiは必要ないかもしれない。

K(日本):日本でも最近、駅で訪日客向けのプリペイドSIMカードを売ってますよね。目黒駅とかで。自動販売機とかで4千円で2GBくらいの。
ああいうのがもっと目立つように売ってたらいいんだけど、まだそんなに認知されてないから皆さん困ってるのかな?

F(ブラジル):そうですね。
私は妻が日本人なので、日本に来た初日から家族プラン(SoftBank)で新規契約しました。やっぱりスマホはとても重要ですからね。

T(中国):私も来たばかりの時にすぐにスマホ契約しましたよ。今は、契約難しくなってますが、昔は簡単でした。笑

一同:昔って、簡単だったんだ!(笑)

T(中国):昔はソフトバンク契約するときに、ビザの在留期間見なくて、直接契約ができたんですが、今はビザの在留期間残り2年未満だと契約できなくなりました。

K(日本):なるほど。2年縛りがあるからですね。
LuさんとLeさんは? 日本で、携帯はすぐ買えました?

Lu(台湾その時はワーホリビザだったんですが、auはスムーズに契約できました。

Le(韓国):私もauでワーホリのビザでガラケーを買いました。そのあと就労ビザが出て、ようやくスマホに機種変更できました。

編注:ワーキングホリデーとは、最長1年間の休暇滞在と、その間の資金を補うため就労を認める制度です。台湾と韓国は日本も加盟する協定国であり、発給枠が多く、条件も18~30歳(韓国は25歳迄)で青少年を対象とした制度です。

K(日本):プリペイドなどの手軽なSIMがもっと買いやすく(目立って、安価に)なれば、フリーWifiってそんなに重要じゃなくなりそうですね。

通貨の問題はどう解決しているの?

K(日本):後はね「ATM・クレジットカード利用や両替といった通貨の問題」とかあるんですけど。両替は空港とかでできるじゃないですか。街中でやろうと思うとちょっと困るよねってのはあるんですけど、六本木は両替所ありますよね。

一同:へぇ~

K(日本):ドン・キホーテの前あたり、あの緑色の看板の。

Lu(台湾):あ!そういえば、ありました。

一同:両替は手数料が高いですよね。銀行でも高いです。

K(日本):そうか。アリペイみたいにいいレートで即時変換されて引き落としがされると理想的ですよね。 そういえばTさん、アリペイのアカウントは持ってますか?

T(中国):持ってますし、最近は使えるお店が増えたので助かってます。結構使ってますよ。

K(日本):僕もすごく使いたいんだけど、日本人はまだ使えないんだよね。素直に羨ましい!
フェルナンドさんは困った事ありましたか?

F(ブラジル):私が日本に来たばかりの頃は、ブラジルの銀行のキャッシュカードを使っていて、日本のATMでお金を引き出す事ができていましたが、手数料が高かったです。
Mastercardのクレジット機能も付いていたのですが、恐らく海外発行のカードだからか使えないお店が結構あって、不便でした。

編注:海外発行のカードの一部は、発行会社側のセキュリティの問題や、アクワイアラ(お店が契約しているカード会社)側の都合が原因で、使えないケースがあります。

F(ブラジル):日本に来てからの2年間は、学生だったので日本でカードを作る事もできず、父に頼んで、ブラジルにある日本の銀行の口座と、VISAのクレジット機能つきのクレジットカードを作って貰って、それでほとんどのお店での支払いができるようになったのですが、日本へ旅行に来た外国人は、みんなこの問題で困ると思います。

K(日本):それに、まだまだクレジットカードが使えないレストランも多いんですよね。だから、みんな現金を沢山持ってきて、両替してるんだと思います。

T(中国):私も最初学生だったので、大変でした。

K(日本):確かに、学生だと大変ですね。もっと海外から来た方が、過ごしやすい環境が整うといいですね。
今回のインタビューがきっかけとなり、「おもてなし」の質が上がって行くといいですね。
皆さん、ご協力ありがとうごいました。

インタビューのまとめ

今回のインタビューで出てきた事で、日本のお店や施設が手軽にできる事は以下になりそうです。

言語の問題

・飲食店のメニューや観光地の案内看板は英語を併記してあげる
(どちらも、Google翻訳とテプラで十分)

通信環境の問題

・無料Wifiは助かるけど、そこまで重要じゃない(SIMがあるから)

通貨の問題

・クレジットカード決済やAlipay決済を導入しておく

皆さんが難しいと思いがちな「外国の方への対応」ですが、意外と簡単に解決できる方法もあるんです。是非、試してみてくださいね。
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